黒田征太郎アートマップ「オレの北九州」
世界的アートディレクター
黒田征太郎氏が描く北九州
- 山と街並みが海に迫る風景をダイナミックに描いた「関門海峡」「門司港」をはじめ、真っ暗な画面にひと際映える提灯が、炎のように浮かび上がり今にも動き出しそうな「戸畑祇園大山笠」。自然と歴史が織り成す造形美を讃える「平尾台」など、北九州市内11の風景を黒田氏独特の世界観で表現する。また絵に添えられたエッセーも印象的で、洞海湾にかかる「若戸大橋」には『男らしい橋だと決めつけさせてください』、小倉南区の「菅生の滝」には『命のセンタクにどうぞ』と紹介。世界遺産に登録された八幡東区の「官営八幡製鐵所旧本事務所」では100年を超える歴史に思いをはせ『将来に夢をかけた人達の声がいまだに聞こえてくる』と書き添えた。他にも「小倉城」「皿倉山」「関門海峡」など、現地に足を運び仕上げ、思いを開放するかのように描き上げている。北九州の魅力を「ヒトらしい人がいっぱい居る」とする一方で、『まだ知らないことだらけ。もっと深く知りたい』と語る黒田氏。北九州の新しい魅力がきっと発見できる一冊となっている。
黒田 征太郎 くろだ・せいたろう
1939年 大阪生まれ。 1961年 早川良雄デザイン事務所勤務を経て、1969年長友啓典とK2設立。 1994年 「野坂昭如/戦争童話集」映像化プロジェクト開始。 2004年よりPIKADONプロジェクトを展開し、国内外でライブペインティング・壁画制作・絵話教室等幅広く活動中。 2009年 ニューヨークより、福岡県北九州へ在住。 2011年 3.11震災後、神戸・大阪・盛岡・南三陸町・小倉にてポスターLIVE(売上金全額寄付)。宮城県・福島県内仮設住宅の壁画制作・瓦礫LIVE・絵話教室を現在まで実施「瓦礫・KOPPAプロジェクト」。 2012年 『火の話』『水の話』『土の話』(石風社)出版。『怒る犬 MAD DOGS』(岩波書店)出版。 2013年 北九州ギャラリー(株)K・Oスタジオ設立。FFG(福岡銀行)北九州本社ビル 壁画タイル制作。北九州市制50周年記念事業 市民太陽光発電所 寄付者銘板制作プロデュース。「忘れてはイケナイ物語り 北九州篇/戦争童話集原画展」(北九州市立文学館)。 2014年 『火を熾す』映像化プロジェクト開始。門司港ドリームギャラリー“TAKO”イラスト制作(門司港駅保存修理工事期間中開催)。 2015年 『教えてください。野坂さん』(スイッチ・パブリッシング)出版。『小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話』(世界文化社)出版。 2016年 “黒田征太郎 KAKIBA 描場”アトリエ兼ギャラリーOPEN(心斎橋・BIGSTEP B2F階段裏)。